今回紹介するのは、ある工務店の事例です。
この工務店のメイン商品は、
壁の張り替えではなく、塗り替えをするものでした。
一般的に、日本では主に「張り替え」の文化が主流であり、
「塗り替え」にはほとんどの人が馴染みがありません。
そのため、顧客は「塗り替え」の方法や利点に対して馴染みもなく、
塗り替えを行おうと思う顧客がありませんでした。
加えて、壁紙のリフォームは
リフォームの中では比較的安価ではあるものの、
金額自体は安いというものではないため、
これも不安要素の1つでありました。
そこでこの工務店がとった戦略は、
器具の使い方をサポートしながら、実際に試せる機会を提供でした。
無料での試用を提供し、顧客が器具の使用感を実際に体験できるようにし、
専属スタッフが訪問して器具の使い方をサポートし、
顧客の不安を解消します。
このサポートを受けた後で、
気に入った場合に購入を検討してもらうスタイルを取ったのです。
この戦略の利点は、
まず、壁の塗り替えという、あまり馴染みのないものに
触れてもらえるということ。
もっとも高い障壁である「メリットがイメージできない」を
払拭することができ、
顧客自身の体験を通じてメリットを理解してもらうことが
できる点です。
また、初期投資がまったくかからずに体験できるようにしているため、
見込み顧客に対しての金銭的なリスクを軽減させることができ、
価格面での障壁を取り払うことができます。
さらに、専属スタッフが訪問してサポートをすることで、
商品提供者がどのような人、会社であるかを
体験を通じて理解してもらうことで、安心感を生み出すことができます。
つまり、この戦略によって
見込み顧客が抱えている3つの不安、障壁である、
「どのような商品なのか」
「試してみるのにどれくらいの金額負担がかかるのか」
「誰が提供しているのか」
というWho、How、Whatを解消させることができたのです。
このアプローチによって、チラシ1万枚で32件のレスポンスを獲得し、
売上が大幅に増加しました。
これは、この工務店だけの特別な戦略ではなく、
商品の概要が知られていない、馴染みがないものを販売するときや
高額な初期投資が必要な場合など
いろいろと応用が可能な手法です。
専属のスタッフを配置できる場合などは
この戦略を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。